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2019.5.20「MMT(現代貨幣理論)の前に理解すべきこと(2)」

大西つねきの週刊動画コラムvol.79

· 週刊動画コラム

皆さん、こんにちは。大西つねきの週刊動画コラム、本日5月20日の週刊動画コラムのテーマは、先週に続いて「MMTの前に理解すべきことパート2」です。前回もこのグラフ見せました。要するに、今の金融システムっていうのはもう借金でお金を発行する仕組みなので、で、その借金自体が利息で増え続ける、その増え続ける借金を返すためにもっと多くのお金が必要になってくるんで、そのお金を発行するためにさらに多くの借金を作るという、これもう無限ループになっていて、お金と借金を永遠に、もう無限に増やし続けないと立ち行かない仕組みになってるんですね。だから、その結果何が起きるかっていうことを、実際に1980年から2018年の38年のデータを使って、こうなりましたという事実を皆さんにお見せしました。要するに、まさにそのとおりにお金は増え続けていて、それを作るための借金、最初は銀行の民間に対する融資がそれを作ってきたんだけど、もちろんそれがずっと続くはずもなくて。いくら民間だからといって借り続けるのも貸し続けるのも不可能です。ですから、それが必ず頭打ちになる。もちろんGDP成長がなくなれば頭打ちになったときに、それでもお金を増やし続けなければいけない金融システムで、結局誰が借金をしてお金を増やし続けることになるかというと、最後まで借りられる政府が借金をし続けてお金を発行し続けてきたってことですね。最後まで借りられるっていうことは、政府っていうのは1円も返さなくても実は借り続けられるんですね。もう実際、日本の政府っていうのは、もう東京オリンピック、1964年の東京オリンピックのあとから、赤字国債を発行してからもう50年以上一度も税収の範囲内でやってない。ずーっとお金を借り続けてる。つまり毎年の収支が赤字っていうことは、過去に作った借金は1円も返せないってことですね、(笑)、毎年赤字なわけですから。だから、1円も返さないまんま50年借りっ放し。こんなことは民間だったらあり得ないんですけど、政府だったらあり得る。それをやり続けることができると。で、それをやってきたっていうことですね。

もうちょっと、政府が借金をしてお金を発行するっていうことの実際のやり方、その流れをまず説明したいと思うんですけど、どうやって政府が借金でお金を発行するのか。そりゃあこういうやり方になります。例えば今の日本の政府の税収っていうのは大体50兆円、年間50兆円です。まあ一般会計ですけどね。50兆円の税収っていうことは、仮に僕が、私が政府だったとしましょう。そうすると50兆円の税金を集めるときには、皆さんから50兆円徴収すると、皆さんの現金、預貯金が50兆円ぶん減ることになりますね。もし僕が50兆円の予算を組んで使えば、それは行ってこいになります。政府の支出っていうのは公務員の給料とか政府事業の支払いとかで基本的に民間に行きます。だから、50兆円税収で集めてから50兆円使うことになりますね。ただ、もちろん同じ人とは限らないですよ。集めた相手と使う相手っていうのは多分違うでしょうから。ただ、でも日本経済全体として見れば行ってこいになります。ただ、日本っていうのは、先ほども言ったみたいに、50年以上ずっと税収の範囲内でやってないんですね。もっと多くの予算を組んでます。仮に50兆円の税収に対して70兆円の予算を組んだとしましょう。そうすると20兆円足りないわけです。その20兆円どうするかというと、日本の政府が借用書を書きます。それが国債です。20兆円ぶんの借用書を書いて、それを誰に買わせるかっていうと銀行に基本的に買わせます。銀行はそれを買ってくれて、要するに、政府は50兆円の税収のほかに20兆円ぶん国債を発行して、20兆円ぶんそれを買ってもらったお金が来るんで、70兆使えることになります。このときに何が起きるかというと、じゃあ銀行はその20兆円ぶんどっから持ってきてるのか。基本的に銀行って皆さんの預金でそういった投資をしますね。だから、政府の国債を買うとか政府にお金を貸すってことになりますけども。ただ、そのときに皆さんの預金が減るかっていうと、実は減らないんですね。もう、(笑)、減ったら怒りますよね、普通ね。政府の借金、政府の国債20兆円ぶん買うんで、皆さんの100万円の預金がなくなっちゃいますとか半分なりますって言ったら、みんな怒るでしょ。そんなこと起きないですね。実は銀行は新たなお金を作り出して政府に貸してるだけなんです。これは、だから、前回説明した99万円の借金を作るとき、お金を作るときと同じです。僕が100万円を銀行に預けたんですけど、99万円を誰かに貸すときは僕の100万円は全く減らないんです。99万円の新しいお金を実は銀行が作り出して貸してるにすぎないんですね。同じことが起きます。ですから、政府が20兆円ぶんの国債を発行したときに銀行がそれを買ったとしても、皆さんの預金は1円も減らないです。だから、世の中のお金っていうのは全くそれで実は減らないんですね。銀行が新たに20兆円を作り出して政府に渡してるんです。そうすると、政府は70兆円ぶんの予算を組んでるんで、70兆円ぶん使います。そうすると、それが民間に流れるわけですね。それは公務員の給料とか政府事業の支出として。そうすると、皆さんの預金は減ってない中で、もちろん50兆円ぶん減りました、税収で。だけど50兆円ぶんは政府が使って、20兆円ぶんも借金して足して使ってるんで、50兆円ぶん税収で減ってから、今度、70兆円ぶん帰ってくることになります。そうすると、皆さんの現金、預貯金っていうのは20兆円ぶん増えるんですね。要するに、政府のそういう赤字ぶんが、赤字を政府が借金でまかなって使うことによって、実は皆さんの預金を増やしてるってことです。結局そうせざるを得ないんですね。そうやってお金を増やしていかないと、今までのすべてのお金が借金で作られていて、そのすべてに利息がかかってるわけですから、それを返すためにより多くのお金が年々必要なんで、誰かがこれをやり続けなきゃいけないんですけど、結局、民間がそれをやれなくなった今、もうここ10年以上、20年近くですね、なってからは政府がそれをやり続けてきて、やり続けざるを得なかった。それがまさにこのグラフからも見て取れるんです。まさにこの、本当に10年20年は赤い線と青い線が並行して上がってんのはわかります。まさにそれをやってきたっていうことですね。MMTって何かっていうと、結局こうならざるを得ないんだからこれを続けなきゃいけないでしょって話です。政府は、要するに赤字を垂れ流していいっていうか、垂れ流さなきゃいけないんです。垂れ流してお金を増やし続けなきゃいけない、それを単にやってきたっていう。それを今までは、例えばプライマリーバランスとか、政府の借金を税金で返さなきゃいけないって間違った思い込みでずっとわれわれはやってきたんだけど、それも間違ってますよと。それ間違ってます。確かにそのとおりです。そんなことあり得るはずがないんです。何でかっていうと、要するに、借金でお金を作り出すってことは借金を返せばお金が消えるって話です。これは民間の借金も政府の借金も同じことです。もし今、この赤い線、青い線、今、どのぐらいになってるかというと、皆さんの現金、預貯金が1000兆円以上、それに対して政府の借金が約900兆円です。要するに、900兆円の政府の借金を返すとなると何が起きるかというと、900兆円の税金を集める必要がありますね。皆さんのお金が1000兆円しかないわけですよ。そこから900兆円集めてしまうと、もうお金がほとんどなくなっちゃうって話です。これ、一気にやるともちろんそうなりますけれども、ゆっくりやっても同じです。900兆円ぶんの税金を集めないといけない。要するに、政府の借金を税金で返すっていうことが何を意味するかというと、この世のお金をほとんど消し去るっていうことになります。そんなこと絶対あり得ないんです。だから、今までの財政金融議論っていうのは根本的に間違ってるんですね。政府の借金を税金で返さなきゃいけないとか、プライマリーバランスを達成しなきゃいけないっていうのは、今のお金のこの発行の仕組みを理解すると全くあり得ない、もう世迷言でしかないんです。その世迷言を財務省はじめ大手マスコミから、もう下手をすると経済学者からみんな言ってたっていうね。そういう全く間違った枠の中から解放してくれるのがまずはMMTなんです。MMT、僕、必ずしもいいとは思わないんですけれども、ただ、少なくともMMTという議論は、もうその枠組みは完全に間違ってますよっていうことを言ってるんです。要するに、そんなことあり得なくて、少なくとも政府が借金をしてお金を発行し続けないと今の金融システムは立ち行かないよという、そういう一つの突破口ではあります。

ただ、MMTがすべてを解決するっていうか、MMTが正しいかというと、僕はそうだとは思ってなくて。やっぱりそもそも何が問題かというと、このベース、誰かが借金をしないとお金が生まれないっていう仕組みそのものが根本的におかしいんですね。これをそのままにして、ただ現状を追認して政府が借金を垂れ流し続けて、そしてお金を発行し続けるっていう、それを続ければいいかというと、僕はそうは思っていなくて。それにはいくつか重要な理由があります。まず一つは、これ、どこまでいっても借金だってことです。借金っていうことは利息がついて、その利息を受け取る人、そうじゃない人って、これやっぱり二極化するんですね。日本の政府の国債の残高、今、1000兆、まあ900兆ぐらいあって、そこに利息が今どのくらいかかってるかというと、大体、年間9兆円ぐらいかかってます。これ政府の予算を見れば、国債費として計上されているんでわかるんですけれども、大体900兆の元本に対して大体9兆円ってことは、大体1%ぐらいの利息がついてます。で、その利息を、年間9兆円だから結構な金額ですよ。もう平均して10兆円近い金額が毎年利息として政府が払ってる。ただ、それをもちろん受け取ってる人がいて、誰が受け取ってるかというと、日本の政府の国債の持ち主っていうのは誰かというと、大体ほとんどが機関投資家です。機関投資家っていうのは銀行とか生命保険とか損害保険とか年金運用基金、要するにそういう人たち、そういう機関が年間9兆円とか10兆円近くの利息を受け取ってる。それは誰が受け取ってるかというと、もちろんそういう大手の機関投資家の株主とかも受け取ってますし、それから、そういうとこに資産のある人たちね。銀行とか生命保険とか損害保険とか、それから年金運用基金。もちろん年金を受け取ってる人たちも年金の運用益としてその利息を受け取って、それを間接的に受け取ってます。ただ、おおむね、要するに年齢層で言うと恐らく上のほうの世代で、少なくとも年金を今まで払ってきた人たち、払う余裕があった人たちとかね。まあざっくり言うと、大体、ご高齢層で若年層よりは資産のある方々。払う一方の人たちは誰かというと、そういう若い人たちとか現役世代とか若年層が大体払う一方です。これもやっぱり、基本的に利息っていうのはお金を貸してる人、持ってる人が受け取ることになってます。もちろんご高齢の年金を受け取ってる方々が必ずしも裕福な方々ばっかりではないので、一概には言えないんですけども、でも、おおむね利息を受け取るのは、その利息の元本になってるお金の所有者がそれを受け取ります。だから、年間10兆円ぐらいの利息で、この30年ぐらいで実は300兆円ぐらいの利息が発生してるんですね、政府の借金っていうのは。それは、そのぐらいの300兆のお金の、要するに、富の移転がお金を比較的持ってる人たちのところに行ってるってことになります。今後もそれをやり続けるってことは、元本がどんどんどんどん膨れ続けますから、いくら金利が低くてもやっぱりそれは発生し続けます。それ、やっぱり僕はフェアではないと思うんですね。

あと、それからもう一つ、今のお金の発行の仕組みそのものがおかしいって僕は言ってますけど、それはお金のヒエラルキーが僕はそこに発生してると思ってるんです。それは、お金ってどこで発生するかというと、借金でお金を発行するっていうことは、誰がそのお金の決定権を持つかっていうと、まず最初はお金を貸せる立場にある人たちが誰に貸すかっていう決定権がありますね。それから、お金を借りられる人たちが借ります。そうすると、お金を借りられる人たちがそのお金を何に使うかっていう決定権を持ってます。最終的にそれ以外のその他大勢の人たちは、その人たちが決定して何かに使ったそのお金を与えられて、おまえやれって言われたことをやって、仕事として、初めてお金が巡ってくるという、そういうお金にもちゃんとそういうヒエラルキーがあって、常にそういう順番でお金っていうのは流れてるっていう仕組みになってます。それは昔はまあよかったかもしれないです。資本主義みたいな考え方はそういう考え方とかなり近いです。要するに資本家が、お金を持ってる、お金を借りられる人、そのお金を使う権利を持ってる人たちが基本的にものごとを決めていて、その他大勢の人たちはそれに従うというような、そういう仕組みですね。それによってより効率的にたくさんのものが作られれば、それがみんなに行き渡って、ある程度幸せになれる時代は昔はあったかもしれない。ただ、もうそういう大量生産大量消費みたいのがある程度行き着いてしまって、もう汎用品みたいなものはそんなにたくさん作っても売れなくなって、効率化するばかりがもう脳ではない時代になったときに、やっぱちょっと考え方を、僕は根本的に変えなきゃいけないと思っていて。お金を何に使うかっていう決定権をより一人一人、個人個人に、僕はやっぱり分けてく必要があると思うんですね。それは、例えばお金の発行の仕組みを根本的に変えて、誰の借金でもないお金を政府が発行して、それも予算としてただ使うだけじゃなくて、もうベーシックインカムみたいなかたちでみんなに配ると。そういったことをしていくと、それぞれが時間と余裕を手にすることによって、じゃあそれを何に使うかという、それぞれの発想で、考え方で、その時間と余裕を使うようになったときに、いろんな、多様な新たな価値が生まれてくる可能性があって。僕はそれが新しい経済圏を作り出したりとか、新しいすばらしい価値を作り出したりするんだろうなというふうに思っているので、そういう本当におっきなそういう価値観の転換、パラダイムの転換みたいなものも含めてお金の発行の仕組みを変える。今の、ただ単に政府が今までの仕組みの中で借金をし続ければいいという、その一部の人たちに決定権を委ねるんじゃなくて、もちろんそれをやっていくと、結局、今の延長線上でやると、政府が借金を続けてお金を発行し続けて、そして、借金をして作ったお金の使い道っていうのは、一部のやっぱり官僚とか政治家が決めてくわけですね。それだとやっぱりちょっと時代遅れ感は否めないと思ってます。だから、そうじゃないお金の発行の仕組みと、お金の配り方っていうのをそろそろ発想していく必要があると思ってるので。そういった意味で言うと、やっぱり僕はMMTの延長線上にそういった新しい世界っていうのはあるんじゃなくて、もう根本の出口のとこじゃなくて入り口のところ、そもそものお金の発行の仕組みがおかしいっていう、そこをちゃんと壊して直して新しい仕組みにかえてくっていうところまで僕は考えてます。ただ、MMTっていうのは一ついい効果があるのは、今までの財政金融の考え方、税金で政府の借金を返さなきゃいけないとか、税収の範囲内でやんなきゃいけない、プライマリーバランスを達成しなきゃいけないっていう間違った思い込みを壊す起爆剤としてのMMTっていうのは、僕はとても価値があるというか重要だと思います。ただ、そこの議論にとどまらずに、そもそもの入り口のところ、今のお金の発行の仕組みはおかしいっていうところまで人々の目が向けば、もっとおっきな変化が起こると思っていて。なので、MMTも今回注目されることによって一つ大きな起爆剤になるという意味で言うと、おっきな方向性として言えば、今まで閉じ込められた箱から出るという方向性で言うと、多分同じ、同じっていうか似てるっていうかね、共通する部分はあるんだと思います。だから、今はMMTの是非、MMTの是非だけでやると、要するに、MMTがいいって言う人と、僕なんかMMTは究極的には解決策にならないって、そこで割れるんじゃなくて、少なくともどっちも今までの財政金融議論は間違ってますよねっていうところで一致してるので、まずそこをぶち壊すというところからスタートすれば、いろいろ一緒にやれることもあるかもしれないなというふうには思ってます。ということで、2回に分けて皆さんにお話ししたかったのは、そもそもが今のお金の発行の仕組み、誰かが借金をしないとお金が生まれない仕組みがもうそもそも間違っていて、それが、結局、今までの財政金融議論が根本的に間違っている理由というか、その根拠になってるっていうことですね。それを皆さんに理解してほしかったということを、今回、2回に分けてお伝えしようと思ってお話ししました。

ということで、大西つねきの週刊動画コラムそろそろ終わりにしたいと思いますが、この2回でまだちょっとわかりづらいっていうこともあるかもしれませんので、そういう方は6月の23日の、前回も言いましたけれども、日本経済大学東京渋谷キャンパスでの白崎一裕さんとの対談講演にぜひ足を運んでいただきたいと思います。詳細はまた出しますので、ぜひご参加ください。ていうことで、大西つねきの週刊動画コラム、来週もお楽しみに。

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