Return to site

2019.5.13「MMT(現代貨幣理論)の前に理解すべきこと(1)」
大西つねきの週刊動画コラムvol.78

· 週刊動画コラム

皆さん、こんにちは。大西つねきの週刊動画コラム、本日5月13日の週刊動画コラムのテーマは、「MMTの前に理解すべきこと」というテーマでお話をしたいと思います。再びMMTについてお話をします。前々回もお話をしたんですけれども、もうちょっと根本的なところを皆さんにぜひ理解していただきたい、注目していただきたいと思いまして、改めて話をすることにしました。といいますのも、今、MMTっていうのは注目されている、そのこと自体は僕はいいことだと思うんですけれども、残念ながらその注目のされ方が、ちょっと大事な部分が抜けてるなというふうに思ってるんですね。それはMMTっていう、現代貨幣理論っていう考え方が是か非か、それが異端なのか正しいのか正しくないのかっていう、そういう出口の議論にあまりにも集中しすぎてるような気がするんですね。問題はそれが正しいか正しくないか以前に、何でそういうことになったのかっていうところのほうが僕は大事だと思ってんですね。少なくともMMTっていう考え方は今までの財政金融の考え方、例えば政府の借金を税金で返さなきゃいけないとか、プライマリーバランスを達成させなければいけないとか、そういった考えっていうのは根本的に実は間違ってるんですね。今の金融システムを理解すれば、そんなことがあり得ないっていうことはもう火を見るよりも明らかで、もちろん、私、大西つねきとかフェア党はずーっとそれを2011年から言い続けてるわけですね。だから、今、改めてその財政金融の考え方はもうおかしいんだと、だからMMTなんだっていう、そういう間違った枠から一歩を飛び出すという意味で言うと、MMTっていうのは議論の出発点としてはいいかもしれない。ただ、そこだけ議論してるんじゃなくて、そもそも、じゃあ何で今までの財政金融の理論が間違っているのかという、そこのところをやっぱりしっかりと皆さんにわかっていただく必要がある。そもそも今のお金の発行の仕組みがおかしいからそういうことになるんですよという、そこのところをぜひ理解してほしくて、今回改めてお話をすることにしました。

前もって告知を先にしておきますね。実はこういう流れもあって、6月23日の日曜日の午後に日本経済大学の東京渋谷キャンパスで、「なぜ今MMTなのか?」っていう、そういう対談講演を、ベーシックインカム・実現を探る会の代表の白崎一裕さんとやります。白崎さん、最近、アメリカのエレン・ブラウンという経済学者の『負債の網』という本を翻訳して日本で出版されました。これはアメリカの経済学者で、負債っていうのは借金ですね、借金でお金を作り出すってことがいかに網の目のように、社会とか、われわれの生活を絡め取っていくかという、そういう今のお金の発行の仕組みの根本的なおかしさ、それを巡る今までの経緯とかを本当に詳しく書いた本があって、日本にもそういう知見が必要だということで、白崎さんがそれをあえて日本で出版されました。もちろん彼の考え方、それから、エレン・ブラウンの考え方と、私が去年の12月に出版した『私が総理大臣ならこうする』という、その本にある考え方っていうのはかなりやっぱり共通してる部分があるので、それについて、ただ単にお金の発行の仕組みとか今までの経緯だけじゃなくて、それがいかにわれわれの社会とか生活に影響を与えていて、本質的な正しさとかそういうところからすると、いかに今のお金の仕組みが間違ってるかという、そういうより本質的な議論を対談でやりたいと思いますので、もしご興味のある方はぜひご参加いただければと思います。詳細はまだ決まってない部分も若干あるんですが、決まってる部分だけまず画像で出します。それから、こくちーずでイベントページを立ち上げましたので、そのURLも下に入れておきますので、もう申し込みもできる状態なので、ぜひご興味のある方は申し込んでご参加ください。それから、当日、若干名ボランティアを募集してます。会場の設置とか片づけ、受付なんかで若干名ボランティアを募集しておりますので、もしご興味のある方はぜひそれもご連絡いただければと思います。

ということで、改めまして、そもそも何が問題なのかという、何で今までの財政金融議論を否定してMMTみたいな考え方が出てきたのかというそもそものところは、結局、今のお金の発行の仕組みはおかしいってことですね。なので、そこのお金の発行の仕組みから改めて説明したいと思います。これ散々今まで説明してますし、講演会でも今までの動画でも何回も説明してるんですが、改めて図を使ってちょっと説明したいと思います。まず、そもそもお金って何なのかっていう概念のところから説明しますね。お金っていうと大抵の人は財布の中に入った現金はお金だってみんなわかってます。ただ、お金いくら持ってる?全部でっていうふうに聞かれたときに、大抵の人は財布の中に入ってるお金だけじゃなくて、自分の預金通帳に書かれてるお金ももちろんお金と認識して、それもお金だと思ってますね、持ってるお金だと思ってます。それが大体、今、いくらぐらいになってるかというと、日本中の現金、預貯金、個人、法人、団体とか全部含めると、大体1000兆円以上になってます。日本中のお金全部で1000兆円以上があると認識されてるってことですね。それに対して現金がどのぐらいあるかというと100兆もないです。つまり、皆さんが持ってると思ってるお金っていうのはほとんど現金としては存在してないってことです。だから、みんなが銀行に下ろしに行くとそんなお金はないってことですね。なので行かないでくださいね(笑)。それないです。お金の発行って何かっていうと、要するに、お金の発行ということは世の中のお金が増えるってことですね。要するに、みんなが持ってると認識してる現金、預貯金が増えるってことです。それがどうやって増えてるかというと、こりゃあもう仕組みを、多分、説明したほうが早いです。わかりやすいと思います。この説明よく、僕、講演会でもやってるんですが、完璧ではないです。かなり単純化していて、100%正確ではないんですけども、まあ大体こんなからくりというか仕組みですっていうことを理解してもらうために、こんな説明で、今、説明してます。簡単に説明すると、まず私が100万円のお金をA銀行に預けに行ったとします。そうすると、銀行っていうところは預かったお金をそのまんま金庫の中に入れてそのまま置いとくんじゃなくて、銀行はお金を今度は貸すという、預かったお金は貸すという、そういう事業をしてます。ただ全部貸していいわけじゃなくて、預かった預金の一部は日銀に預けなきゃいけない。これは預金準備制度っていって、預かった預金の一部分、準備金として準備率ぶんを日銀に預けなきゃいけないっていう仕組みになっていて、その準備率が仮に1%だったとすると、実際はもっと低いんです。0.0何%とか低いんですけれども、1%だったとすると、100万円の1%の1万円を日銀に預けると。預けなきゃいけない。逆に、でも残りの99万円は誰かに貸していいという、そういう仕組みになってます。仮に誰かが99万円をA銀行に借りに行ったとしましょう。そうするとA銀行は何をするかというと、その99万円を借りた人の口座に数字として書き込むだけですね。それだけなんです。この瞬間、実は、僕の100万円の預金と、そのお金を借りた人の通帳の99万円、預金は99万円に増えてることになります。もちろんお金を借りた人は自分がお金を借りてるんであんまり持ってる感覚はないかもしれませんが、それを使って誰かに、例えばB銀行の誰かに送金したとすると、そのB銀行で99万円を受け取った人はそれがもともと誰の借金だったかなんてもうわかんないですね。知ったこっちゃないと思います。そうすると、その人は純粋に自分の99万円の預金としてそれを認識します。もともとの私の100万円の預金も動かしてないですから、通帳に書かれたまんまですね。僕も持ってると認識してます。199万円に増えてるんですね。で、この新たな99万円の預金を受け取ったB銀行は、またそのうちの1%の9900円を日銀に預けて、残り98万100円を誰かに貸すことができる。貸すとまた同じことが起きます。借りた人の口座に98万100円とB銀行が書くだけですね。で、そのお金をC銀行の誰かに送金してしまえば、その98万100円を受け取った人はそれがもともと誰の借金だったかなんてわかりませんから、純粋に自分のお金として認識します。この瞬間に、もともとの僕の100万円の預金もありますし、99万円を借りて送金した相手も受け取ったまんま動かしてないですし、それから、この98万100円を受け取った人も自分のお金としてそれを認識しますから、いつの間にか預金っていうのは、世の中のお金は300万に増えてるっていうことになります。もちろん、このC銀行、新たな預金を98万100円受け取りますから、その1%の9801円を日銀に預けて、残り97万299円を誰かに貸すことができる。これをぐるぐるぐるぐるやってると、だんだん貸せる金額は減っていきますけれども、もともとの100万円の現預金から、預金準備率が1%だったとすると、割ることの0.01イコール1億円まで合計作り出すことができるという、これがいわゆる信用創造という現代のお金の発行の仕組みです。ですから、皆さん、1000兆円以上のお金を皆さんが、みんなが持ってると認識してるかもしれませんが、実際にそんなお金は存在しません。100兆ぐらいしか現金はありませんし、どうやって皆さんがそのお金を持つと認識するに至ったかというと、誰かが借金をして作ったお金が送金されて、それを自分のお金だと認識してるだけで、結局そのお金は銀行が勝手に作って回したもんなんですね。これが何を意味するかというと、借金でお金を作って、ほとんどお金は実は誰かの借金なんですね。今度、借金でお金を作るっていうことは、借金を返すと逆にお金が消えるってことになります。もともと99万円のお金を借りた人は、99万円を借りたときにはその99万円のお金を作ってます。ただ、借りた瞬間に、もしこれは返せないかもしれないと思って、弱気になってすぐに返したとしますね。借りた瞬間には99万円のお金を作った、手にしたんですけど、今度は返した瞬間に99万円のお金と自分の借金を相殺して消すことになります。つまり、お金を借りればお金が作られるし、お金を返せばお金が消えるってことになりますね。で、何とかその99万円のお金を頑張って借りきったとして、それを使ってしまったら、その人は99万円の借金を背負ったままお金がないことになるんで、1年の仮にローンだとすると、1年後には何とか世の中から99*万円のお金を集めて返さないと破綻してしまいます。頑張って1年後に99万円を何とか集めて返すと何が起きるかっていうと、彼は世の中から99万円のお金を消すことになりますね。要するに、こうやって借金で作ったお金っていうのは借金を返すとお金が消えるっていう、そういう仕組みです。だから、この世のお金はほぼ借金でできてるってことは、みんながお金を返してしまったら実はお金が消えてしまうっていう、そういう仕組みになってます。問題はそれだけじゃなくて、お金を借りた人はただ元本ぶんだけ返せばいいわけじゃないんですね。大抵金利がついて利息ぶんも含めて返さなければいけないんです。仮に99万円を借りた人が年率5%で借りたとすると、1年後にそれを返すときには104万円のお金を集めてこないと返せないわけですね。ただ、99万円のお金を借りた人は99万円の元本ぶんのお金しか作ってないです。同じように、それ以外の、もうみんな、要するにお金を借りた人は元本ぶんのお金しかこの世に生み出してないんですね。例えば100人の人が100万円ずつ借りて1億円合計作り出したとしますね。そうすると、世の中に1億円しかお金がないんですけども、要するに、1年間の間に全部に利息が5万円ずつついて、みんなが105万円ずつ返そうとしたときに、1億500万円必要になるんですが、そのぶんのお金って実は発行されてないんですよ。何が起きるかというと、巨大な椅子取りゲームになります。必ず誰かが破綻する仕組みになってるんですよ。しかも、そもそも返してしまったらお金が消えてしまう。5%ぶん余計にお金みんなが返すためには、要するに、500万円ぶん、その100人の人とは別の5人の人が100万円ずつ借りてお金を作り出して、それを世の中に回してくれないと、みんなが105万円ずつ100人が返すことができない。仮に返したとしても、そのお金は全部消えちゃうわけですね、1億500万円が。で、結局全くお金がない状態になってしまう。元の状態に戻すだけでももう100人が100万円ずつ借りて1億円を作り出して、初めて元のお金が1億円の状態に戻るわけなんですけど、そのときには、もともとは、最初は100人の人が100万円ずつ借りて1億を作っていたのに、今度は利息ぶんの500万円を作ってる人は5人いて、そのほかに100人の人が100万円ずつ借りて、今度はいつの間にか105人の人が100万円ずつそれだけの元本ぶんの借金を抱えてるってことになります。これ、ちょっと考えればわかるんですけど、何が起きるかというと、もうどんどんどんどんお金と借金が増え続けることになりますね。そうしないと、実はこれ、立ち行かない仕組みです。そんなことが可能かどうかってちょっと考えてみればわかると思うんですけど、日本人が1億3000万しかいない中に、お金と借金を無限に永遠に増やし続けるっていうのがそもそも可能なのかっていうと、可能なはずがないんですよ。経済成長が順調なときはまだある程度はいったかもしれませんけれども、経済成長はもちろん無限には続きませんし、そのときには必ずお金を増やし続け、要するに借金の相手を見つけるのも銀行はできないですし、借りたい人がそんなにずっと無限に増え続けることも、もちろん人数が増えないんで、それもあり得ない。必ずそれは止まります。だけど結局、今までのお金を作るために作った借金がどんどん利息で膨れ続けるってことは、それを返し続けるためにどんどんどんどん多くのお金が必要になる。これどういうことになるかっていうと、結局、最終的には何が起きるかというと、無理やりそれをやり続けることになるんですね。

どうなったかっていう、これ、やっぱりデータを見ると実際にデータを見るともっとわかりやすいんですけど、グラフを出しますね。これは1980年から2018年までのグラフです。最初に見ていただくのはこの青い線、これは何かっていうと、マネーストックM2、要するに日本中の現金、預貯金を全部合わせていくらありますかという、その統計です。それが1980年のときは200兆足らずだったものが2018年には1000兆を超えてます。要するにお金は増え続けますよと、お金と借金増え続けるのは当たり前なんです、今の金融システムだったら、それをやり続けないと立ち行かないので。そのとおりになってるんですね。このお金を作ってるのは何かというと、もちろん借金です。お金は誰かが借金をして初めて生まれる仕組みになってるので、それがこの緑の線ですね。この緑の線は銀行の民間に対する貸し出しの残高です。これを見ると1990年、91年ぐらいまではまさに緑の線が青い線を作っている、並行して支えてるっていうのがもう一目瞭然ですね。この緑の線が青い線を作って、これ当たり前の話です。借金でお金を作っているので、必ずこれは並行して増えていきます。ただ、1991年を境にだんだん緑の線が青い線から乖離していきます。支えきれなくなってくるんですね。これはなぜかというと、この黄色い線を見るとわかるんですが、これGDPです。経済成長がなくなると、もちろん銀行だって貸せる相手とか、もちろん借りられる人もそんないなくなりますし、もう見つけられなくなるんですよ。それから、もちろん日本の銀行は91年のバブル崩壊以降、不良債権処理をして、貸し渋りをして、それから貸しはがしをして、この緑の線を見てわかるように、一時的に貸し出しをうんと減らしてるんですね。それからほとんどあまり伸びてないと。要するに銀行が貸すのやめてしまったっていうことです。ただ、銀行は貸すのをやめるとお金って増えない仕組みになってるんですね。ただ、お金が増えないと困るんですよ。そのお金を作るために作った借金が増え続けるんで。実際にこの青い線を見るとお金は見事に増え続けてる。誰かが借金をしないとお金が発行されない仕組みの中で、じゃあ誰が借金をしたか、誰かが必ず借金をしてます。その答えがこの赤い線です。これが日本の政府の国債の残高です。これを見るとわかるとおりに、1991年以降、緑の線が青い線を支えきれなくなってから、急激にこの赤い線が上に伸びてますね。今や、この赤い線が青い線を支えてる。要するに政府が借金をしてお金を作ってきたっていうことが、これを見ると一目瞭然なんです。

今日はこれでちょっと時間がなくなってしまいましたが、次回、またこの表をベースに、じゃあMMTって何なのか、それから根本の問題とは何なのかについてお話ししたいと思います。ということで、大西つねきの週刊動画コラム、今日は「MMTの前に理解すべきことパート1」というかたちでお話をしました。来週この話続けます。来週は「MMTの前に理解すべきことパート2」です。次で説明し終わればいいんですけどね、もしかしたら3本になるかもしれません。わかりません。来週もお楽しみに。

All Posts
×

Almost done…

We just sent you an email. Please click the link in the email to confirm your subscription!

OK