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2019.2.11「日本病の正体(1)」

大西つねきの週刊動画コラムvol.64

· 週刊動画コラム

皆さん、こんにちは。大西つねきの週刊動画コラム、本日2月11日のテーマは「日本病の正体」についてお話ししたいと思います。今日だけじゃなくて、多分2、3回、何回かに分けてお話しすると思います。といいますのも、最近、今、国会で問題になってるデータの偽装の疑惑とか、これは本当に賃金だけじゃなくて、物価とかいろんなものに関して多岐にわたるでしょう。本当にそれは、前回も言いましたけれども、国の根幹を揺るがす、それこそ経済政策っていうのはやはりデータをちゃんと見ることが大事ですから、もうそれこそ医者が体温をごまかすぐらいの、もう検査の意味もなくなって、それじゃもちろん、そんなやぶ医者じゃ結局患者を治せないだろう、患者を殺してしまうだろうっていうようなことを平気でやってると。本当におっきな問題なんですが。ただ、本当に我々が抱えてる問題、今、それこそ賃金が上がらないとか、物価が、デフレから脱却できないと言いながら、要するにスタグフレーション。スタグフレーションっていうのは景気が回復していないのにじわじわ物価が上がるようなことをいいますけれども、そんなことも実はものによっては起きてます。そもそも何が本当に問題なのか、我々の今の現状の根本的な原因はどこにあるのかっていうことを、ある程度まとめて皆さんにしっかりと説明する必要があるかなと、それをちゃんと皆さんに理解していただく必要があるかなと思ったので、今回から2、3回、多分、使って、日本病の正体、我々が今こういう状態にあるのはなぜなのかっていうことを、今までの経済の統計とかデータ、それから我々が今までやってきた経済政策、金融政策、それから我々自身の考え方、そういったところまで含めてちょっと深掘りしていきたいと思いますので。私の講演会をお聞きの方は何回も聞いた話になるかもしれません。しかし動画コラムのほうではその都度テーマを変えてぶつ切りにして話しているので、あまりまとめて体系立てて話せていないので、一応今の日本の現状については、2、3回取ってしっかりここで説明おきたいなと思いまして、こっから2、3回、日本病の正体ということでお話ししたいと思います。

まずデータの偽装、賃金偽装、賃金そもそも上がってないっていうことは皆さんよくわかってると思います。前回も見せたかもしれませんね。賃金統計以前に、私が86年に入社したときの初任給20万だったという話をしました。それから31年たって、2017年に就職したうちの息子もやっぱりおんなじ四大卒です、初任給が全く同じ20万円だったという。この間お金は3倍に増えているのに、要するに大卒の初任給は全く変わっていないと。3倍に増えたお金どこ行った?というような話をしました。どこ行ったっていうことも含めて、そもそも何で、もうこれを見れば賃金統計なんか見るまでもなく、労働者の賃金は全く上がってないということがよくわかります。何でそうなっているのか。そもそもこの世界一のお金持ち国で何でこんなことが起きるのか。こないだも、先日もぴっかりカフェのイベントしましたが、7人に1人とか6人に1人の子どもたちがこの日本で貧困状態にあります。ぴっかりカフェをやってる田奈高みたいなところに行けば、その比率はもっと上がります。何でそんなことになってるのか、何で世界一のお金持ち国の子どもたちがそんな目に遭っているのか、そもそも世界一のお金持ち国と言われても我々が全くぴんとこないのはなぜなのか(笑)。こんなこと言っても、まあよくいますよ、本当に国の借金っていうことをよく大手マスコミが、つい最近も報道で流していました。国の借金一人頭八百何十万みたいな。それから、大手新聞の社説にもすぐに、もうしょっちゅう財政再建、要するに国の赤字を何とかしろ、国の赤字を何とかしろっていうんですが、国の赤字じゃなくて、これは政府の赤字、政府の借金ですね。ずーっと本当に口すっぱくして言ってますけども、国の借金と政府の借金は違います。1000兆以上あるとんでもない借金っていうのはあくまでも政府の借金で、政府にお金を貸してるのは国民です。ほとんどが日本の国民です。ですから、これは国内で貸し借りチャラの話で、国家として見れば実は世界一の、世界中にお金を貸してる、最もお金を貸している世界一のお金持ち国。これデータでも見せますけれども、Googleで主要国の対外純資産っていうキーワードでググってみれば、一番上に出てくるのがこの財務省のホームページです。328兆円ぶんの世界最大の対外純資産を持ってるのが日本の今の現状です。要するに世界中にお金を貸している。その世界一のお金持ち国の皆さんの給与が全く30年間上がってない。何でなのか。これもちゃんと理由があります。大きなきっかけになったのは1985年のプラザ合意です。それまで日本は戦後復興をずっとやり続けてきました。要するに、戦後、戦争に負けて、もう国土焼け野原で、資源もなくて、それを輸入する外貨も当然ないわけです。外貨がないどころか戦後賠償を支払わされるような状況ですから、まず外貨、ドルを借りて、それで資源を輸入して、そして、それを加工して輸出して、また黒字を稼いで、ドルを稼ぐ。稼いだドルから借りたドル借款とか戦後賠償を返していくということをひたすらやり続けてきたわけですね。ですから、要するに貿易立国とか輸出立国っていうのはそこからきてます。それをやらないと国が立ち行かなかったから、それをやり続けました。そして我々は目覚ましい戦後復興を成し遂げたわけですね。例えば朝鮮戦争なんかの特需なんかもありました。それで、とにかく黒字を増やして、そうすると輸入も増やせるし、生産も増やせて、そしてまた輸出も増やして黒字が増えてっていう、そういう好循環でずっと戦後復興を成し遂げてきた。しかし、戦後賠償も借りたドル借款も80年ぐらいにはもう全部終わってるわけですね。それ以上黒字を別に稼ぎ続けなくてもよかったんですが、ずっと我々はそれをやり続けました。

で、やりすぎちゃったんですね、やっぱりね。やりすぎて日本が貿易黒字をため込んで、それに対してアメリカが巨大な貿易赤字と財政赤字、双子の赤字って当時いわれてました。その赤字を抱えて、それを何とかしようということで、レーガン政権が1985年に、日本と、それからやっぱり西ドイツも同じように戦後復興を、黒字を稼いでやってきたわけですから、日本と西ドイツを基本的には狙い撃ちにして、ドルの切り下げをして、で、円と当時の西ドイツのマルクを高くしようと。そうすれば、円高になったりマルク高になったりすれば、日本や西ドイツは輸出がしにくくなるわけですね。逆にアメリカにしてみればドルが安くなれば、ドルが高いと買ってきたほう、輸入のほうが安いので、輸入が増えちゃうんですね。で、輸出しにくくなりますから、それをドル安政策を取ることによってアメリカの赤字を解消しようというのが1985年のプラザ合意という合意です。これは1985年の9月22日にニューヨークのプラザホテルで当時のG5が集まって、ドルの切り下げのための協調介入をしようということを決めて発表した、そういった合意がプラザ合意です。当時230円ぐらいだったドル円の為替レートが一気に円高で膨れました。2年ぐらいで120円ぐらいまでいったんですね。ちょうど私86年にJPモルガンに入行して、それからずっと為替ディーラーをやっていますから、もうまさにドルが真っ逆さまに落ちてく中を為替ディーラーとして働いていたわけなので、目の前でずっと見てました。すごいスピードで落ちるのが。これが大きな、本当、日本の転機になったのは、まずは1985年のプラザ合意っていうのは、いつまでも黒字を黒字を稼ぎ続けるのをやめて、内需拡大して、そして貿易収支をバランスさせなさいという、そういう国際社会からのメッセージだったんですね。何でそういうことになるかというと、当然円高になると輸出が大変になるわけです。今まで1ドル200円だったときは、200円のコストで作ったものは1ドルです。それが1ドル100円になってしまったら、200円のコストで作ったものは2ドルになってしまいます。そうすると、今まで1ドルで海外に持ってったときに売れたものが2ドルになってしまうので、倍の値段になってしまうので、これは売れなくなります。そうすると輸出が減って、逆に今まで1ドルだったものは、200円で買っていたものが、1ドル100円になると1ドルのものを100円で買えるような、半額になるんで、輸入が増えます。輸出が減って輸入が増えるので、要するに黒字が減るというのがプラザ合意の本来の目的だったんですが、残念ながら、残念ながらというか、バブルの3年間だけはそれをやりました。結構、内需拡大っていうことが声高に言われた時期ですね。その当時生きていた人たちはよくその言葉を聞いたと思います。中曽根首相が1人100ドルぶんの外国製品とまで言ったのかな、何かそんなようなこともありました。バブルの時期はそれを確かにやったんですね。だから、日本中、結構景気もよかったし、みんなお金を使って輸入を増やしたんですけど、バブルが崩壊して景気が悪化しました。そのときに景気を回復するためにどうしていいかわからなかった時の政権が、またおそらく元の木網に戻ってしまったんですね。時の政権っていうよりも、経済全体がそういう輸出主導型の経済ですから、ひたすら今までどおり、経済を動かすために、もうとにかく一生懸命売ろうとしたわけですね。一生懸命売ろうとするんだけど、特に海外に輸出する場合は、ドル円の為替レートが倍になってしまってますから、今まで200円で作っていたものは、それが1ドルで売れたものが200円で作ったら2ドルになってしまうので、じゃあこれは頑張って100円で作りゃいいじゃないかって話になったわけですね。ま、そういう話になったというよりも、その中で、そういう輸出業者もその下請けの人たちも、何とかとにかくコストカットしていかないと高くて売れなくなっちゃうもんですから、一生懸命必死になってコストカットをした、そうせざるを得ませんよね。民間の人たちはとにかく生き残るために、売るために、もうとにかくコストカットをしなきゃいけないっていうことで、みんながそれをやった。国を挙げて30年間それをやったんです。30年間ひたすらコストカット、コストカット。皆さんももう覚えてると、もう耳にたこが、(笑)、できるほど、もう我々のすべての習慣になるほど、とにかく安いもの、コストカット、コストはカットしなきゃいけないっていうことで、ずーっとこの30年以上、それこそバブルが崩壊して1990年、91年、30年以上ずっとそれをやり続けてきた。ただし、皆さんもこれよくわかると思いますけども、コストというのは、切る側からすればコストかもしれませんけども、切られる側からすると売り上げまたは給料です。必ず誰かの売り上げ、または給料を減らすことがコストカットです。国を挙げてみんながそれをやったら、当然、それはもう、皆さんの手元に来る、特に労働者の賃金っていうのは削られ続けます。

そして、稼いだ黒字、最初に言った328兆円の、世界一のお金持ち国という、そのお金はどっから来てるかというと、それが我々が稼いだ黒字なんですね。要するに、そうやって我々が海外に売り続けることによって、輸入もドルで払いますし、それから輸出の代金のドルで受け取って、黒字は差し引きドルとしてたまっていく。だから、328兆円、世界一のお金持ち国になった経緯っていうのは、我々が黒字を稼ぎ続けてきたからなんですが、その黒字というのは残念ながらそうやって外貨でたまってくんですね。輸入の代金もドルで払って、輸出の代金もドルで受け取る、だから差し引きドルがたまっていく。ですから実際は、328兆円の対外純資産っていうのは、基本的には約3兆ドルの外貨資産だっていうことです。3兆ドルの外貨資産っていうのは、結局、日本国内では使うことも投資もできませんから、全部海外に投資しっ放し、貸しっ放しです。日本の政府がアメリカの政府に実際に100兆円、1兆ドル以上貸しっ放しです。要するに海外に貸しっ放しってことは、その土地でそのお金を扱われて、投資されて、その土地の人たちにそのお金を使って作り出した価値っていうのは提供されますから、我々のためには全く使われてないんですね。我々は30年間、自分たちが本来受け取るべき給料とか売り上げを受け取らないまま3兆ドルも稼いで、それがすべて海外に貸しっ放し。日本円にして300兆円以上、要するに皆さんは本来はそれを受け取らなければいけなかった、自分たちの労働の対価として。しかしそれを受け取らずに、300兆円以上のただ働きをさせられ続けて、稼いだ黒字がすべて海外に貸しっ放しという、そういう全く間違った経済運営、国家運営をやり続けてきたから、皆さんの賃金は上がらないんです。これは根本的な政治の間違い、それから国家経営の間違いです。まず日本の皆さんの賃金はなぜ上がらないのかという、それはそこに、一つのきっかけとしてはプラザ合意、それから、おんなじことをやり続けてきたという、そういう我々の国家経営の間違いがそこにつながってるということを皆さんにまず理解してほしいということ。そして野党も、指摘するんであれば、もう統計がどうのこうのじゃなくて、なぜ賃金がそもそも上がらないのか、賃金が上がっていないなんてことは賃金統計を見るまでもなく、一番最初に私が示した大卒の初任給30年上がってませんよと、これを見るだけですぐわかるんです。その間、お金は3倍以上に増えているのに、じゃあそのお金はどこ行ったか。海外にため込まれてるっていうのまず一つですけど、それだけじゃありません。そこら辺もこのシリーズで全部説明しきれるかどうかわかりませんが、全部つながってる話です。私が言い続けてる金融システムの話とも全部つながってる話ですので、なるべくつないで、これから2、3回のシリーズで日本病の正体についてお話ししたいと思います。ということで、大西つねきの週刊動画コラム、本日のテーマは「日本病の正体(1)」です。来週もまたこれに引き続き、皆さんにお話し、説明したいと思います。大西つねきの週刊動画コラム、来週もお楽しみに。

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