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2018.6.11「アベノミクスの功罪(2)」

大西つねきの週刊動画コラムvol.30

· 週刊動画コラム

皆さん、こんにちは。大西つねきの週刊動画コラム、本日6月11日の週刊動画コラムのテーマは「アベノミクスの功罪(2)」です。前回に引き続き、このアベノミクスについてちょっとお話ししたいと思います。おそらくこれは3回シリーズになると思います。多分、今日だけで全部お話ししきることはできないと思いますので。前回に続いて「アベノミクスの功罪」と。功罪といってもほとんど罪ばっかりで(笑)、巧の部分まで今日いかないと思います。

結局アベノミクスは何かというと、本当に古いモデルをそのまま引きずって、要するに、高度経済成長の夢よもう一度とやってるにすぎません。とにかく経済成長、経済成長、経済成長。これは残念ながら安倍政権だけではなくて、野党も結局おんなじようなこと言ってます。経済成長、経済成長。さも経済成長がいいことかのような、それ以外に幸せな方向性はないかのような、そんなことを言っていますが、これは本当に今までの固定観念に捉われてるだけです。かつてはそれでいい時代はありました。経済成長っていうのはご存じのとおりGDPがとにかく増え続けることです。GDPっていうのはどうやって計算するかというと、「消費」+「政府支出」+「投資」+「純輸出」です。結局、高度経済成長の時代は全部が右肩上がりで増えていたわけです。戦後復興、何もない状態から、とにかく資源を輸入して加工して、輸出して黒字を稼いで、黒字をたくさん稼げばそれで輸入が増えて、さらに生産が増えて、ものもたくさん作られて、消費も上がって。結局純輸出も増え、そして消費も増えて、それから、そのための投資も増えて当然税収も上がるので、政府支出も増えて、とにかく全部が上がったから、全部がうまくいったその結果として当然GDPも上がっていく。それが、ですから幸せの指標というか、うまくいってる証拠だったわけです。株価も結局おんなじです。GDPを上げて株価を上げて、そして地価も上がって、土地の値段も上がって、すべてがうまくいっていたのが高度経済成長期です。しかし、そういった戦後復興のモデルというのはバブルが崩壊してから完全に行き詰ってます。とにかくたくさん作っても売れるわけではなくなっています。ですから、このGDPを増やそうとし続けるために、ひたすら黒字を、要するに純輸出を増やそうとし続けています。ひたすら今度海外に売るなんてことを必死にやって、それで何とか純輸出の部分が増えればGDPが上がって、それが政治家の点数になったというようなことをずっと続けています。しかし、残念ながらこのやり方が大きく間違え続けてきたのは、1985年のプラザ合意で大幅な円高になりました。当時230円ぐらいだったドル円の為替レートが一気に100円ぐらいまで2、3年で落ちたわけですね。そうすると海外に当然売るのは難しくなります。そもそものプラザ合意の意図というのは、そうやって日本の輸出が減って、黒字が減るという、日本が黒字を稼ぎすぎたから、そういったプレッシャーをアメリカからかけられたというのがプラザ合意の本質です。ですから、そうしなければいけなかったのにもかかわらず、結局バブルが崩壊して我々は何をしたかというと、同じ成功モデルにしがみついたんです。ですから、輸出をさらにするためにひたすら国内のコストを削った。しかし、コストというのは皆さんの売り上げまたは給料です。要するに、85年のプラザ合意以降も30年以上たっていますが、バブル崩壊以降も結局それをずっとやり続けて、ひたすら皆さんの、要するに売り上げと給料です。コストというのは皆さんの売り上げ、給料です。それを削り続けて海外に売り続けて、その結果、日本は世界一のお金持ち国になりました。世界一の黒字国になりました。しかし、それはすべて海外に貸しっ放しで、皆さんのためには使われていない。かたや、皆さんはひたすらコストカットで自分たちの給料と売り上げを減らされ続けて、だから世界一のお金持ち国になっても皆さんは全くその実感がないんです。そういう間違った国家経営をさらにドライブをかけて進めようとするのがアベノミクスです。ですから、ひたすら異次元の金融緩和をして、お金をじゃぶじゃぶにして、しかも円安政策を基本的には取ってます。円安政策で喜ぶのはもちろん大手輸出企業です。これはおそらく大手輸出企業が固まって作ってるような経団連みたいなところが自民党に大きな献金をしてるということとも、もちろん無縁ではないと思います。これはいわゆる、要するに利益誘導政治みたいなもんです。

それから消費税。アベノミクスの異次元の金融緩和と消費税の増税っていうのは明らかに矛盾する政策です。なぜなら、異次元の金融緩和でお金を増やそうとする一方、消費税を上げれば、要するにそのぶん税金を皆さんから取るわけですから、マネーストックは減ります。ですから、お金を増やす一方、消費税増税で皆さんからお金を吸い上げるという全く矛盾した政策を、そんなこともやってしまっています。前回の消費税増税もそうでした。それから法人税の減税。もう明らかに人のための政策ではなくて、ごく一部の大手輸出企業とか、そういった大きな企業のための政策です。ですから、そんなことをやって、それで、例えばほかに何をやろうとしてるかというと、例えばTPP、関税を下げる、誰のために?輸出企業のためです。結局そうやってやれば輸出が増やせると思ってる、それが言い訳になってますけれども、もう既に黒字は稼ぎすぎて、それ以上黒字を稼いでも仕方がないのにもかかわらず、それでTPPをやろうとするのは、理由としては、それで海外に売りやすくなるとか、それで輸出が増えるとか、もうそっちはだめだというのに同じことをやってる。それから例えばオリンピック、これも巨大なインバウンド政策です。インバウンド政策というのは、観光客、日本に訪れる人たちを増やして、そこでお金を落としてもらうと。これは、落としてもらうお金っていうのは基本的に日本国内では円を使いますけども、ドル、外貨を持ってきて、それを換金して円にして使うわけですから、結局落ちていくのは外貨なんですね。これ国内輸出と同じです。ですから、これもやっぱり戦後復興と同じだめだった方向性、ひたすら黒字を稼ぐという方向性をそのままさらに大規模にやろうとしてるのがオリンピックです。今、そんなことやる必要はないです。それから、カジノに至ってはもうばかですかっていう話です。カジノでGDPが増える。GDPはただ増やせばいいわけじゃないんです。お金をただ回せばGDPっていうのは増えます。例えば、よく私この話をしますが、1億円の穴掘り事業があったとして、公共事業で、全く無駄な事業ですけど、それで1億円使えば1億円動いてGDPは増えるんです。しかし、穴掘り事業っていうのは全く無駄な事業で、それが何を無駄にするかというと、これはお金じゃないんですね。1億円は右から左、それから、さらにその先にどんどんどんどんお金というのは回り続けて、決してなくなることはありません。しかし、それで本当になくなってしまうのは、全くそういう意味のない穴掘り事業のようなものに使われてしまった人の時間と労力、それから資源、それは永遠に失われてしまいます。結局カジノ産業なんてそんなようなもんです。カジノ産業の本質はただのばくち産業です。そんなことをいくらやってGDPを動かして、人の時間と労力と資源を使ったところで、そんなものはおそらく子どもたちの未来には大してためにはなりません。そんなことのために皆さんの、今、時間と労力を使うことが本当にもったいないんです。国家経営の本質っていうのはGDPを上げることでも黒字を稼ぐことでもありません。いかに皆さん一人一人の時間と労力、それから貴重な地球の資源を本当に大事に使って、それを本当に意味あること、本当に皆さんのため、未来の子どもたちのため、そして世界中の人たちのためになることをやるか、それを、その方向性を示すのが本来の国家経営の本質です。ですから、そういうものがわかっていないで、ただ本当に、GDPとか経済成長とか株価を上げる、今まで高度経済成長時代に指標となっていたその数字のところだけを上げようとする、そんな浅はかな政治家がこの国を動かしてる限りは我々は方向性を失ってしまいます。そもそも、例えば株価、もうこれアベノミクスの一つの目的なのかどうかわからないですけれども、株価なんて、まあお金をじゃぶじゃぶにすれば株価は上がるかもしれません。しかし、株価なんて別に上がったって大して意味はないんです。株価がいくら上がろうが、それで実体価値が増えるわけじゃないですから。例えばそもそも分離課税、今20%になってます。株でもうけた税金っていうのはたかだか上限20%です。かたや、それに対して所得税の最高税率と地方税を合わせると55%です。要するに、実体価値を作って所得として得てる人よりも、単に株価、また、土地なんかの投機でもうける人のほうが税金が低いということです。(笑)。要するにこれ、社会として額に汗をして働いて何か実体価値を作って、それで所得を得るよりも、投機をして右から左、とにかく何も作り出さずに売り買いして、それでもうけたほうがいいよという税制です。こんなおかしな社会はあったもんじゃないんです。ですから、根本的に今おかしくなってます。何が大事なのか、何をしなければいけないかという、そういったことがわからなくなってしまっている。そして、そういったことがわからない人たちが、経済、財政、金融、そして政治を動かしてるという、そういう本当に由々しき事態になっていますので、そこからそろそろ根本的に考え直す必要があります。

あともう一つ、このアベノミクスの副作用で非常に私が危惧してるのは、だぶついたお金が結局、海外投資に回ってるんですね。アベノミクスで、異次元の金融緩和でたくさん増やそうとするお金、それは結局国内の投資には回りません。GDPの成長がないとか、そもそもお金を銀行が貸したくても借りられる人、借りたい人がいなくて、銀行も貸せる相手を見つけられないので、それを今度海外に投資する。しかし投資するといっても問題は、そうやって金融緩和で膨れた円がそのまま海外に出てくわけじゃないんですね。これは当然、円は日本に残りますから、そして売った円資産も日本に残って。結局円を売って、海外、外貨を買って、それを海外に投資して、海外の資産を買うわけです。そして、売られた円は結局誰が買うかという話です。日本人が買うんならまだいいかもしれません。しかし、これをもし外国人が買って、その円を外国人が買って、その円で今度は日本の株とか、それから土地とか国債とか、そういったものを買っていくということになると、今度、日本の支配権を外国人に売り渡すことになります。かたや、日本の銀行とか投資家たちは円を売って海外の資産を買う。それこそドルのような紙くず資産、アメリカ国債のような紙くず資産を買う。そんなようなことになれば、我々は自分たちの本当に世界の最優良の円資産、日本っていうのは世界一のお金持ち国で世界一の黒字国ですから、要するに、その通貨の裏づけが最もある国なんです。その国の通貨、それから資産を外国人に売り渡して、逆に世界一の借金大国のアメリカ合衆国のドル、それからその国の国債、借金まみれの国の政府の国債なんかを大量に買って、要するに、他人のぼろ家を買って自分ちの豪邸を売り渡すようなことになりかねません。それがどんどんどんどんアベノミクスで進行してるんです。ですから、日本は世界一のお金持ち国と言いましたが、これは日本が海外に持ってる対外資産と、海外勢が日本に持ってる対外負債、要するにこれは差額です。この話は以前もしました。それが今、328兆円ぶんぐらいになってますが、為替の変化、それから我々がこのどうしようもないアベノミクスをさらに続けることによって、それは一瞬にして、もしかしたら逆転する可能性があります。ですから、本当にまずい状況になってるんです。ですから、そろそろこういう本質的な問題をしっかりと我々が認識する必要があります。アベノミクス確かに機能していません。しかし野党は言うように、ただアベノミクスがだめだとか、安倍政権憎しでそんなことを言っていたところで、結局、彼らはどんな解決策をほかに持ってるかというと、何にも持ってやしません。野党なんかにいくら期待したってもうだめです、あんなものは。与党も野党もひっくるめて、問題の本質が全くわかっていないんです。問題の本質はアベノミクスがだめだから、今度、出口戦略、出口戦略みたいなことを批判をする人は言っていますが、そもそもこのアベノミクスに出口戦略なんてあるわけありません。なぜなら我々が入り込んでる袋小路っていうのはアベノミクスの問題ではないんです。そもそも今のお金の発行の仕組みの問題が根本にあります。それを変えないことにはアベノミクスがどうのこうのとかいう話でもないですし、それから、こういった戦後70年間の方向転換をするなんていう、そろそろGDP成長とか株価とか、そんなことばっかり言ってるんじゃなくて、日本の経済構造そのものを根本的に変えるなんていうことも結局野党はもちろん言っていませんし、もちろん与党も言っていません。しかし、そういうところから今変えなければいけない。本当に長い間、それこそ20世紀ほとんど戦後やってきたようなことを根本的にすべて転換していく必要があるんです。今、その時期です。今、そういった議論ができない、与党も野党も含めて政治家は全く役立たずです。ですから、まずそれを皆さんにわかっていただくためにこんな話をしています。

ちょっとまた長くなりましたし、まだしゃべりきってないので、来週はこの「アベノミクスの功罪(3)」をやりたいと思います。来週は功罪のうちの巧の部分。これはもう功績というよりも、どちらかというと、けがの功名の巧です。しかし、けがの功名でも何でも、これだけおかしなことをやったからこそわかったこと、それから、こんなことをしたからこそ次できることっていうのが実はあります。それについて来週はお話ししたいと思います。大西つねきの週刊動画コラム、本日は「アベノミクスの功罪(2)」でした。来週は3です。来週もお楽しみに。

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