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2018.4.9「政府通貨の疑問に答える 」

大西つねきの週刊動画コラムvol.21

· 週刊動画コラム

皆さん、こんにちは。大西つねきの週刊動画コラム、本日4月9日の週刊動画コラムのテーマは、政府通貨にまつわるさまざまな懸念とか疑問について今日はお話ししたいと思います。先週までの「財務省のウソ」で、もはや日本の政府の借金は税金で返すなんていう選択肢は存在しない、だから政府通貨を発行して、それで政府の借金を置き換えて、10年間でそれをゼロにするという、そういったプランを提示しました。しかし、この政府通貨というもの、これを言いだすと、いろんな反論とか、いろんな疑問がわいてきます。それについて今日お話ししたいと思います。

まず、政府紙幣を発行するというと、これ先週も言ったんですけれども、既存の紙幣とごっちゃになるといけないと、混乱するっていうようなことを言う人がいますが、そんなことにはならないっていうことは先週説明したとおりです。1兆円の政府紙幣を100枚刷ったとしても、それは日銀の金庫に入ったきり全く出てきません。ですから既存の紙幣と混同するようなことはありません。

それからよくいわれるのが、ハイパーインフレにならないかみたいな話がよくあります。まず先週の私のこのプラン、もう一度ちょっとこれ皆さんにお見せしたいと思うんですが、10年で政府の借金を政府通貨で全部置き換えるという、このプランなんですけど、左側のマネーストックを見ていただくとわかるんです。これは平成29年の予算案をベースにしたものなんですが、要するに、平成29年度の予算案と全くマネーストックの増え方は変わらないんですね。58兆円税収で払って、そして、その他収入のところも民間から出てくとして、合計63兆円が民間のマネーストックから消えていって、そして政府支出が74兆円戻ってくるということは、差し引き20兆円マネーストックが増えるというわけですけれども、政府通貨100兆円を刷って、これで政府の借金を置き換えたところで、要するにマネーストックは当初の予算と全く同じなんです。これを10年やったところでたかだか200兆円。マネーストックが増えるのはたかだか200兆円ですから、10年で20%、2割伸びるということになります。これは年平均すると、多分、大体2%程度の伸びですね、毎年。実は90年以降の平均伸び率がそれを超えてます。2.5%ぐらい伸びてますから、それよりも伸び率は少ないんです。もしこれでハイパーインフレになるんであれば、何かが、今までの政策が根本的に間違っていたということです。デフレから脱却できないまま、本当に20年以上、四半世紀以上いたわけなんですが、ただ単に政府の借金を政府通貨に置き換えただけでハイパーインフレになるんであれば、何かが根本的に今まで間違い続けてきたということです。ですから、そんなことにはおそらくならないでしょう。それから、ハイパーインフレになる原因っていうのは、基本的には大きな原因は二つあります。一つは極端な物不足。極端に物資が少ないときはお金なんて意味を持ちません。ですから、人々がそれを手に入れるためにお金をどんどんどんどん必要とするんですが、お金なんてそういった意味で言うと紙切れですから、そういった状況には、ハイパーインフレにはなり得るんですが、今の日本の状況、それとは程遠いです。需給ギャップといわれて、本当に供給力に対して需要が全く少ないような状況で極端な物不足というのは、本当に何か異常な事態、戦争とか大災害ということがなければ、そういったことは起こりません。そして、それは基本的にはこの政府通貨の発行とは関係のないことです。ですから、これでハイパーインフレになるということはとても考えにくい。それから、もう一つの原因っていうのは経常収支です。基本的に経常赤字の国がハイパーインフレになりやすいんです。要するに災害とか戦争とか、それと経常赤字が組み合わさると非常になりやすいんですけれども。要するに、経常赤字の国というのは自分たちの国で必要なものを外から買ってくるだけの外貨が稼げないわけです。それを得るためにそれを借りる必要がある。借りるとそれを返さなければいけない。そして、結局、赤字が続いているとそれを返す原資もないので、最悪、自分たちの国の通貨を為替市場で売って、それで外貨、まあ主にドルですけど、それを手に入れる必要がある。そうすると、どんどんどんどん自国通貨安が進んでいきますから、どんどんどんどん自国の通貨を発行せざるを得なくなる。そうやってお金がどんどん増えてハイパーインフレになってく。ですから、やはりこれも基本的に経常赤字の国がなるんですけれども、日本の場合は世界一の経常黒字国です。ですから、政府通貨を発行してもし本当にインフレぎみになるんであれば、単純にマネーストックを減らせばいいだけの話。税金を上げるとか、それから政府通貨の発行を減らすとかしてお金を減らせばいいだけの話なので、そのお金の発行が止まらなくなるようなことはなりません。ですから、日本はそういった意味においても、世界一の経常黒字という国、そういうことで、その事実から見ても、とてもハイパーインフレには世界一なりにくい国だというふうにいえます。

それから、よく円は暴落しないかみたいなこともいいますが、これも基本的には同じことです。円が暴落っていうのは円が多すぎた場合に暴落する可能性がありますが、むしろ、今、本当に大暴落を心配しなければいけないのはドルのほうです。これも前見せたかもしれません。世界主要国の対外純資産っていう、このフリップを見ればわかるんですが、アメリカ合衆国が、一番下見てもわかるとおり、900兆円以上、要するに9兆ドル以上の世界一の借金を世界中から負っています。つまりこれは何を意味するかというと、世界中が9兆ドルアメリカに貸している、つまり、アメリカドルを9兆ドルぶんほかの国が持ってるということです。要するに為替市場における買い持ちということなんですが、9兆ドルっていう金額はどれだけの大きな金額かというと、これはブログにも書いたことありますが、為替市場っていうのは、私も為替ディーラーだったのでよくわかるんですが、1本100万ドルでやります。大体、我々為替ディーラーは一声10本、1000万ドルを単位にやるんですけれども、この9兆ドルという金額は900万本という膨大な額です。大体、為替市場、1000本、10億ドル売ると、かなりインパクトがあるんですね。私がやってた頃でも数十銭から、下手をすると1円ぐらい動いたことがありました。そこまで動かないにしても、この9兆ドル、要するに世界中の国がアメリカに投資をしていて、そのアメリカドルの買い持ちを持ってるわけですから、その国々がもうドルはだめだと思って本当に売りに出したときに、その900万本っていうのがどれだけのインパクトがあるかというと、大体、為替市場で、先ほど言った1000本の売りを、それだけで数十銭から1円近く動いたこともあるその1000本の売りを1日10回仕掛けて、そして、それを900日間続ける計算になります。(笑)。900日間ですから、仮に1日1000本の売りを10回仕掛けて、たった10銭しか下がらなかったとしても、900日間の間で90円下がってしまいます。今、ドル円が100円そこそこですから、もうほとんどなくなってしまうわけですね。もう相場なんかつかなくなると思います。ですから、既にアメリカドルっていうのはそれだけ飽和している、それだけ本当に世界中にばらまかれている、これはもう紙くず同然の資産だということです。そして、それを、この表を見ていただければわかるとおり、世界一持ってるのが日本です。ですから、いつまでもアメリカに追随してこんな紙くず資産を持ってるようでは、我々はそのうち本当にいけにえになってしまうという、そういった状況です。ですから、本当に心配しなければいけないのは円安ではなくて円高、もう極端な円高、そしてドルの大暴落、それが本当に心配しなければいけないことだっていうことです。

あと、政府通貨を発行すると国債が暴落しないかみたいなことも言う人がいます。国債の仕組みというのは、基本的に利付債という、国債に、まあクーポンという、要するに例えば1%の利付債だったら、100円だったら毎年1円のクーポン、要するに利息がつくという、そういった債券です。ですから、例えば1%のクーポンがついている国債の場合は、もしその金利が2%に上がると、それを100円で買っても毎年1%の利息しか得られませんから、100円で買う人はいなくなります。ですから当然、もちろん国債の値段は下がるんですね。しかし下がったところで、例えば金利が2%のときに、1%の利息がついてる額面100円の国債を残り5年のときに95円で買うと、例えば95円で買ったときに、満期になるとそれが100円で償還されるので5円の利益と、それから、5年ぶん残ってますから、毎年1円の利息、それが5年ですから5年ぶん、合わせて10円の運用益が挙がるわけです。そうすると、95円で買って10円、要するに運用益が挙がりますから、大体年率2%以上の運用になります。ですから、95円になれば買い手がつくんです。そうやって金利が上がれば国債の値段が下がるっていうのは当たり前の話です。それと国債が暴落するっていうのは全く別の話です。大抵、政府の借金を政府通貨で置き換えるといったときに、それで国債が暴落するみたいなことを言う人は何となくイメージで言ってることが多いです。何の根拠があるかというと、それで国債の信用が傷つくとか、そんなことを言う人が多いんですけれども、そもそも、これは政府の国債をチャラに、デフォルトにすると、要するに債務不履行にするという話ではなくて、政府通貨でお金を発行して、それでちゃんと国債を償還するという話です。例えば、年率、先ほど言った1%の10年国債を償還するということは、ちゃんと10年後には100円を払って、そして毎年1%の利息も払う、政府通貨で払ってますけども、例えば今までも結局、それは税金で払う払うと言いながら、日本の政府はもう30年以上1円も税金で返さないまま、要するに利息も元本も全く自分たちの、自分たちのっていうか税金で返すことをしないまま、新たな借金で、新たな借用書を書いて、そしてお金と借金を作り出して、それを払い続けてるわけです。ですから、政府通貨でそれをやったところで今までと何が変わるのかという話です。ですから、それで国債の信用が傷つくなんてことはありません。それから、仮にそうだとして、誰が売るのかという話もあります。結局、日本の国債の90%以上は日本人が持っていて、今まではほとんどは機関投資家が持っていました。しかし、ここ数年の異次元の金融緩和で何が起きたかというと、そのうちの半分ぐらい、日本の銀行が持っていた半分ぐらいの国債、400兆以上の国債を日銀が買い上げてしまったんです。これで実は民間銀行は困ってるんです。今まで1%なり、先ほどの例で言うと1%の利息を得ていた国債が全く、要するに利息を生まないキャッシュに換わってしまってる。そして、日銀は銀行から国債を買うと、日銀の中にある民間銀行の預金口座にその代金をキャッシュで振り込みます。しかし、このキャッシュというのももちろん基本的には金利がつくものじゃないんですが、今はマイナス金利部分もあるんですね。逆に、ある一定以上のお金をそこに置いておくと、これブタ積みっていうんですけど、要するに、日銀はそのお金を民間に貸せということで、そこにペナルティという意味でマイナス金利をかけている。ですから民間銀行にしてみれば、これはもう本当に困った事態で。もちろん貸そうにも経済成長がなくなっていると、要するに借り手が見つけられないわけです。ですから、今までは日本の政府の借金、国債を買っていたんですけど、それを半分以上買われてしまっている。で、政府通貨で政府の借金を置き換えていったときに、今までどおり国債にはちゃんと利息もついて運用できるわけです。もう既に日銀が半分以上買ってしまっている。そして、10年後にはこの国債が政府通貨に全部置き換わってしまえば、利息を生む国債がゼロになるということです。10年後に利息を生む国債がゼロになってしまうのに、何で今、銀行が持っている国債を売るのかという話です。売って、売ったらもちろんそれを買いにくる人たちはほかにもいます。例えば外国人投資家がそういったものを買いにくるでしょう。ですから単に、日本の政府の借金を政府通貨で置き換える、大変だ、そして円が暴落するとか、国債が暴落するとか、ハイパーインフレになる、全部思い込みです。大抵仕組みがわかってない人が、それから市場もよくわかってない人たちがただ単にイメージで大騒ぎしてるだけです。冷静に今の仕組みを考えてみれば、それ以外の出口はありません。

そろそろそういうまっとうな議論をしましょう。そして、まっとうな議論ができる人をちゃんと国会に送り込んで、そしてトップダウン、「財務省のウソ」シリーズの最初に言いましたけれども、そういうまともな議論をする財務大臣を作って、それをするには、まともな議論ができる内閣を作って、総理大臣を作るところから、作るところからというか、多数を取る国会議員を作るところから始めなければいけませんが、本当にそういった方法で、トップダウンで根本的にこの仕組みを変えていく必要があります。私はそれをやるためにフェア党という新しい政党を作ってるんですが、残念ながらいまだ皆さんにあまり相手にもされず、しかし少しずつこのフェア党を見つけて応援してくれる人たちも本当に増えてきていますから、我々がやろうとしてることは本当にやらなければいけないことなんだという認識がそろそろ広がりだしてるんです。ですから、チャンスです。私も最大限の努力をしますので、皆さんもぜひこういうまともな議論を多くの人に伝えていってください。今日はちょっと長くなりました、すいません。大西つねきの週刊動画コラムでした。来週もお楽しみに。

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