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2018.4.16「政府通貨の疑問に答える (2)」

大西つねきの週刊動画コラムvol.22

皆さん、こんにちは。大西つねきの週刊動画コラム、本日4月16日のテーマは、政府通貨についてもう一回だけ補足したいと思います。といいますのも、最近、こんな動画を作っていたりとか、いろんな発信を増やしているので、いろんな方からメッセージとか質問とかいただくんですね。大変申し訳ございません。私もなかなか忙しいもんで、すべてに答えるわけにはいかないんですが、たまたま今回非常に面白い視点の、面白い質問がきましたので、それについてちょっと広げてお話ししたいと思います。いただいた質問っていうのは、政府通貨でお金を発行して、政府支出をそれでまかなうんであれば、そもそも税金要らないんじゃないかと、要らなくなってしまうんじゃないかという質問がきたので、それについてお話ししたいと思います。

これは本当に面白い視点というか、まさにそのとおりなんです。これまた先週までのフリップをちょっとお出ししますけれども、平成29年度の予算案、税収が58兆円、その他収入が5兆円です。税収の58兆円も政府通貨でまかなってしまえば税金要らなくなるわけですね。確かにそのとおりなんですけれども、私は税金は、しばらくは、当面はなくすべきだとは思っていません。遠い未来にはもしかしたらなくせるような仕組みを作れるかもしれませんが、当分はなくすべきではないと思ってます。それは、税金にはとても重要な機能がいくつかあるからですね。まず一つには富の再分配という重要な機能があります。これは今までの仕組みなんかは本当に特に、とても不公平な、不公正な仕組みになっていますから、富を再分配しないととてつもない格差が広がってしまうんですが、そういった不公平な仕組みとか直したとしても、お金を稼げるっていうことと人間の価値というのは必ずしもイコールではないんですね。もちろんお金を稼ぐのが得意な人、そうではない人がいます。得意でないからといって、それだけのために生活の水準が大きく違ってしまって、人生の質が大きく変わるなんていうことは人間社会で私はあってはいけないことだと思います。ですから、富の再分配という機能というのは大事です。ですから、お金を稼ぐのが上手な人から少し多めにいただいて、そうではない人たちに再分配するとか、それから社会保障、そういったものをちゃんと手厚く保護するということはとても大事なので、そういった意味でまず一つ、税金っていうのはなくせないと思ってます。それからもう一つ大事な機能っていうのは、税制っていうのは国のかたちを作ります。つまり、何に課税するか、何に課税しないかということによって人々の行動が変わってくるわけですね。例えばたばこ税とか酒税のような、あまり奨励すべきではないような活動に税金をかけてくことによって、ある程度抑制効果を狙うという、そういったことがあります。それから、例えばガソリン税とか、そういったものも、あんまり使うと資源がなくなってしまいますから、ある程度課税していって、その使用を抑制するみたいな考えもあります。それから、例えば相続税。相続税を0%にするのか100%にするかによって、これは大きく考え方、思想、哲学がそこに表れます。要するに、富の格差を世代を越えて続けさせるのかどうかっていうこと。相続税を100%にすれば、もちろん富の格差っていうのは世代で止まる、それが越えることは、完全には止まることはないと思います、多分。家庭が裕福かそうじゃないかによって、子どもたちの教育にかけられるお金が違ってきたりとか、それでも格差が続く場合もあるでしょうけれども、そういった、例えば教育の機会の均等化っていうのは別の施策で何とかやるとして、相続税100%にすると、富の格差を世代を越えさせないというメッセージになりますし、逆に0%になれば、要するに親の資産のあるなしがそのまま世代を越えて続いていくということになります。もちろん0%、100%って、相続税がゼロか100っていうのは、とてもこれは極端な話で、例えば事業の継承とか、継続性とか、家で商売をやっていたものが全部取られてしまうと商売自体が続かなくなってしまいますから、そういったいろんな面も考えて適度なところに落ち着かせることになると思うんですが、そういった、要するに税制には思想が出る。ですから、かけるべき税金、かけるべきではない税金っていうのがあると思います。

そういった意味で、私は消費税なんていうのは絶対にかけるべきではない税金だと思ってます。なぜなら人間っていうのは、基本的に消費税っていうのは付加価値税ですから、その付加価値を生むために生まれてきたようなもんです。人間っていうのは生まれてきて、この世の中に何らかのプラス、何らかのアウトプットを出して基本的に生きていきます。それが必ずしもお金になるような付加価値ではないかもしれませんが、その周りにいる人たちとか、ご家族の方々とか、友達とか、そういった人たちに、お金にはならないけれどもプラスアルファの付加価値というか、人を笑顔にしたり、幸せな気持ちにしたりとか、そういったいろんな無数の付加価値をこの世に生み出すために生まれてきてるようなもんです。付加価値税、消費税っていうのは、その付加価値のうちお金になる付加価値に対して税金をかけてくという、そういった税金なんですけれども、要するにそこに税金をかけていくと、人間が付加価値を生み出すのをちょっと抑制してしまう。それは本来私はやるべきではないと思っています。ですから、要するに、例えばお金を払うたんび、経済活動をするたんび、何かの活動をするたんびに、今、消費税を支払うことになります。そうすると人間の活動っていうのはどんどんどんどん縮小していきますから、人間の活動を抑制するような消費税っていうのは、これは足りる足りないではなくて、思想的にあってはならないと思ってます。そういう思想をもう一度税制に取り戻すということ。ですから、そういう税制によって人の行動が変わって、それが国のかたち、社会のかたちを変えていくので、その思想をもう一度取り戻す。そういう意味で言うと、消費税っていうのは何で、また今度上げるみたいな話にもなっていますが、そういうことになってるかというと、これは思想とか哲学のもとに上げようというんじゃなくて、単に足りる足りないという、そういう今までの財政議論の中で、足りないから消費税を上げるという、そういう場当たり的な税制を我々は繰り返し続けてきました。ですから、いつの間にか、つぎはぎだらけの、本当に思想も哲学もあったもんじゃないような税制になってしまっています。政府通貨で政府支出をある程度まかなえるということになれば、足りないから税金を上げるというような考えではなくて、その税金が社会にとって必要だから税金を作る。逆に、社会にとって害になる税金だからそれを廃止するというようなこともできるようになります。そうやってしっかりと哲学、思想を税制に反映した税金を作っていけば、その税金を使って、我々は自分たちの望むような社会を作ってくことができる。それによって人々の行動をある程度誘導して、自分たちの望む社会を作ることができるという、そういった意味で私は税金はなくすべきではないと思ってます。

それからもう一つ、長くなってしまって申し訳ないんですが、もう一つ、税金にはとても重要な機能が政府通貨を発行することによって備わることになります。それは金融政策の新しい弁としての税金という、新しい機能が加わることになります。これどういうことかっていうと、先週までのフリップを見るとわかるんですが、例えば平成29年度の予算案で言うと、支出74兆円に対して税収が、その他収入も含めて63兆円で、11兆円ぶん、それから利息の9兆円も合わせて20兆円ぶん、皆さんのお金、マネーストックを増やすことになってます。それは今までは20兆円ぶんの新たな国債、要するに支出と税収の差額、足りないぶんっていうのはお金の発行になってるわけですね。これは金融政策です。実はこれ、日本というのはこの30年ぐらいずーっと、足りないぶんを政府の借金でまかなって使うことによって、それを民間にお金として放出してる。つまり、実質的に今まで財政っていうのは、あまり意図しなかったかもしれませんが、金融政策になってるんです。ですから、実質的に財政政策と金融政策が一体化して、もう本当に30年以上たってるということです。それを明確に意識する必要があります。これはただ何となくそれをやってるんではなくて、それでお金を発行し続けてきた。要するに税金と支出の差額というのは、もし支出のほうが多ければお金の発行である、逆に税収のほうが多くて支出が少なければ、今度はそのぶん世の中からお金を回収することになるので、それは今度お金の回収、これも金融政策であるということ、これを明確に認識する必要があります。なぜなら、もう日銀の金融政策による借金の調整機能っていうのは効かなくなって本当に長いことたってます。ここ数年も異次元の金融緩和ということで、必死になって借金の量を調節しようとしていますが、結局それで民間銀行が思うように貸すことができなくなってるんですね。ですから、既に金融政策というのは財政の現場に移っている、財政政策と金融政策が一体化していて、どちらかというと財政政策のほうがもう実質的な金融政策になってるということ。これによって何がどう変わるかというと、要するに政府通貨でお金を発行して、それで支出をまかなうということは、例えば世の中のお金を増やしたければ政府通貨の発行を増やして、税金を下げて、そして、その差額、要するに赤字ぶんを増やせばそのぶんお金を発行することになるということです。逆に、お金を回収するときには税金を上げて、今度、支出を減らして、税収のほうが多ければお金の回収になるという、そういう新しい金融政策の弁として、もうこれは意図的にきっちり使っていくべきだというふうに思ってます。その意味でも税金というのはなくせない。

ちなみに、新しい金融政策の考え方というのは、今までの金融政策よりはるかに優れてるというふうに私は考えています。今までの金融政策っていうのは、日銀の金融政策っていうのは、これまでもおそらく説明したと思うんですが、借金の増減にすぎません。要するに、お金の発行っていうのは借金でお金を発行してるわけですから、お金を増やしたければ借金を増やす、お金を減らしたければ借金を減らす。ですから、日銀の金融政策っていうのは従来は金利の上げ下げだったわけですね。景気が加熱すると金利を上げる、金利を上げると借りたい人とか借りられる人が減って、そして借金が減っていく。しかし、これには実は問題があるんですね。まず一つは、この日銀の金融政策っていうのはタイムラグがある。時間がちょっとかかるんです。仮に景気が加熱して金利を上げたとしても、すぐに借金が減ってお金が減るわけじゃないんですね。金利を上げたところですぐに借金が減るわけじゃなくて、その減り方というのは、それによって借りたい人とか借りられる人が減ります。だからといって今までの借金がいきなり減るわけじゃないです。だんだんに毎月返すことによってその額が減っていく。ですから、それが減りつつ、新たな借金が借りられない、借りたくても借りられない、または返せなくなってしまう。そうやって金利を上げたときに、借りられなくなってしまう人とか、返せなくなってしまう人というのは基本的に経済的に困ってる人たち、弱い、経済的弱者たちがお金を借りられなくなったり、返せなくなったりします。そうやって、景気が加熱すると金利を上げることによって、経済的に弱い人たちから振り落としてくことになります。逆に、今度、景気後退局面で金利を下げてお金を増やしたい、借金を増やしたいときに、一番最初に借りられるようになる人たちっていうのは比較的大丈夫な人たちです。銀行が安心して貸せるような人たちにまず貸していくことになります。ですから、結局こういう景気浮揚があるたんびに日銀の金融政策で、これはもちろん意図したものではないんでしょうが、経済的に弱い人たちから振り落とされていき、経済的に強い人たちからその利益を手にすることができるという、本来、金融政策にはあってはならないような、そういった不公平な副作用というというのがあります。これをずっとやり続けてきたわけですね。ですから、景気浮揚があるたんびにどんどんどんどん格差が広がっていくっていうのは当然だと思います。しかし、この新しい政府通貨で発行して、そして税収と支出の差額が金融政策であるという、そういったかたち、それをちゃんと明確に意識して、それを明確に、意図的にやっていくということになると、これは様子がだいぶ変わってきます。今までよりはるかに迅速で効果的、そして、そういった副作用がないようなかたちでお金の増減をすることができるようになる。それが毎年の予算で、例えばお金を発行するとなれば、支出を増やす、それから税金を減らす。逆に今度お金を回収する段になれば、支出を減らして税金を上げる、こういったことができるわけです。政府支出が公平な支出であること、税制そのものが公平であるということがもちろん前提になってきます。それがだめだからだめだという話ではなくて、それを直せばいいんです。それをちゃんと直したうえで、こういった政府通貨で、政府支出と税収の差額で、それを明確に金融政策として意図的にそれをやってくという、それをやるときにはもちろん、政府支出、税収の公平性もちゃんと担保していくというかたちでやっていけば、今までの金融政策よりもはるかに公平で、しかも毎年の予算でこれをやっていきますから、はるかに迅速にそういった調節をすることができるということになります。ですから、そういった意味でも、新しい金融政策の弁としても税金は当分はなくせないっていうふうに私は考えています。どんな税金を廃止するとか、どんな税金を作んなきゃいけないとか、そんなことに関してはまた機会があればお話ししたいと思いますが、今日は税金、すいません、今のとこはなくせませんという、そういった話で政府通貨の補足としてお話しさしていただきました。大西つねきの週刊動画コラム、今週もちょっとまた、すいません、長くなってしまいましたが、来週もまたお楽しみに。

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